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ポリエチレン、ポリプロピレンの構造と物性

 このように多種多様なポリエチレン、ポリプロピレンの中から最適なグレードを選択後、成形加工により賦形し製品として仕上げるわけですが、その際にはポリエチレンやポリプロピレンの持っている構造が成形加工性や製品の物性、性能そして品質にどのように影響を及ぼすか、すなわち構造と物性の関係が重要になってきます。ここではポリエチレンを例に少し詳しく説明したいと思います。

 ポリエチレンの基本的特性を表す指標としてMFR(Melt Flow Rate)と密度があり、原料メーカーはこれらが異なる数多くのグレードを持っています。MFRは溶けた樹脂の流れやすさを表し、押出特性や成形加工性そして製品の力学的性質に影響し、平均の分子の長さや長鎖分岐により決まります。密度は、製品の剛性や透明性、融点などに影響し、短鎖分岐により決まります。このMFRと密度はポリエチレンの基本特性を表す非常に重要な指標ですが、優れた製品の設計・開発には、さらなる指標や成形加工性や製品物性の本質的理解が必要となります。

 ポリエチレンに対して原料樹脂から製品までと、その際に支配する因子、重要な因子を模式的にまとめたのが下の図です。


 これらの関係を正しく、詳細に理解することが優れた設計や開発につながるわけですが、ここでは成形加工に大きな影響を及ぼす「絡み合い」と製品物性を支配する「固体構造」について簡単に触れたいと思います。

 屈曲性を持つポリエチレンは、溶融状態で物理的な架橋点といえる「絡み合い」を持ちます。この絡み合いの結果、弾性的性質を有する一方、分子運動の結果絡み合いの解消が起こり、変形させる際には分子鎖間の摩擦による粘性が生じます。

            

 このような結果、ポリエチレンは溶融状態で粘性と弾性を併せ持った粘弾性体の性質を有し、絡み合いの量により粘弾性が変化します。より詳細には、変形速度により絡み合いの解消の程度が変化し、その結果、粘度や,弾性が変化します。粘弾性測定から得られる、粘度η*(複素粘性率)、弾性率G’(貯蔵弾性率)およびG”(損失弾性率)のせん断速度依存性の模式図を示しますが、せん断速度の小さい=時間が長い側は、絡み合いの解消のため弾性率が小さい&粘度が高い一方、せん断速度の大きい=時間が短い側では、絡み合いの保持のため弾性率が高い&粘度が低くなります。



 実際の成形加工の際は、対象となる現象がどのせん断速度領域であるかがまず重要になります。そして押出特性や成形加工性を改良したい場合は、そのせん断速度領域の粘弾性が望ましい方向になるように、粘弾性を決める分子量とその分布や長鎖分岐をコントロールすることになります。

 成形加工により賦形されたポリエチレンは冷却固化されますが、短鎖分岐や絡み合いのため固化された固体構造では、規則正しい結晶とそれ以外の非晶になります。模式図を下に示しますが、規則正しく折りたたまれた赤の結晶とそれ以外の非晶からなります。そして、結晶の量=非晶の量が剛性や柔軟性を支配する一方、図のラメラ厚が融解温度(融点)を決めます。このようにポリエチレンは結晶と非晶からなる半結晶性ポリマーですが、ポリエチレンの構造や成形加工の影響を受けた製品の固体構造が製品の色々な物性を決めます。
         


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1.ポリエチレン、ポリプロピレンと当社製品  2.ポリエチレン、ポリプロピレンの種類 3.ポリエチレン、ポリプロピレンの構造と物性
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